2012年06月05日
女性消防士・高柳蘭の誕生です! by佐藤青南
◆◆◆◆◆
こんばんは。
会社では“女性のほうが有能な場合が多い”といわれることもあったり、
恋愛においても“肉食系女子”という言葉が定着しているように、
いま社会は女子が熱い!!
と、いうわけで『このミス』大賞シリーズからお届けする新作は、
『消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生』(佐藤青南著、6月8日店頭予定)です。
その名の通り、新米女性消防士が険しい男性社会、死と隣り合わせの火災現場のなかで
働き、成長していく姿を描いています。
消防士のディテールはもちろん、
『このミステリーがすごい!』というだけあって、謎もあって読み応えたっぷりの作品!
佐藤さんに作品の魅力を語ってもらいました。
★佐藤青南ブログ「実録素人ドキュメント 私を作家にしてください 佐藤青南ブログ」
『消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生』自作CMができるまでが4コマ漫画で読めます!
(『このミス』編集部)
◆◆◆◆◆
どーも二度目まして、佐藤青南です。
アルバイト時代の友人に消防士になったやつがおりまして。
もともととてつもない身体能力の持ち主で、バイト時代も道路標識のポールを掴んで身体を地面と水平に持ち上げる「鯉のぼり」をやったりするような体力バカだったのですが、久しぶりに会ってみたら以前よりひと回りもふた回りも身体が大きくなり、それこそ“ザ・肉塊”という体格になっていて驚かされました。
しかしそれ以上に驚かされたのが、
「消防学校では、ロープブリッジ渡過訓練で普通に女の子に負ける」
というそいつの発言でした。
ロープブリッジ渡過というのは、地面と水平に渡された長さ20mのロープを、行きはロープを跨ぐセーラー渡過で、戻りはロープにぶら下がるモンキー渡過で往復するという、消防士の基本となる救助技術です。
それで女の子に負けるというのです。
へえっ、そりゃとんでもない女がいたもんだ。
えっ……っていうかさ、もしかして火災現場に出場する消防ポンプ隊にも、女性隊員がいるの!?
という疑問が、すべての出発点でした。
調べてみたら、いるんですよ本当に!!
某動画サイトなんかにも消防学校に入校した女の子が訓練に臨む様子などがアップされていて、これがどこにでもいそうな普通のかわいらしい女の子だったりするわけです。
見た目は普通の女の子。
でもひとつ間違えば要救助者はおろか、自分や仲間の生命をも危険に晒してしまうような仕事ですから、訓練は男女の別なく容赦なし!!
男でも音を上げてしまうような苛酷な訓練が、当たり前のように課せられるのです。
これは小説の題材にしないわけにはいかんだろーと取材を開始したのが、およそ一年前のことでした。
そして資料を読み漁り、何人かの消防士さんに話を聞かせていただき、舞台となった横浜の街を自転車で走り回りながら物語を組み立てていく過程で、僕の中にひとつの思いが芽生えたのです。
なんで……!!
なんで僕は小説家になんてなっちまったんだ!!
なんで僕は、こんなにかっこいい『消防士』という職業に就こうと思わなかったんだぁぁぁっ!!
しかし年齢制限に引っかかる僕には、残念ながらもう消防吏員の受験資格がありません。
しかたがないので自分の小説に「人生の選択、誤ったかも」という後悔と、怨念めいた消防士さんへの羨望と嫉妬を詰め込んでみました。
あまりに未知の世界のことで執筆には悪戦苦闘させられましたが、たくさんの人からのお力添えもあり、なんとか完成にこぎつけることができました。
自信を持って送り出せる我が子です。
誰かを救うために命をかける、炎よりも熱い魂を持つ新米女性消防士・高柳蘭と、彼女を取り巻く浜方消防ポンプ隊二課の仲間たちの活躍を、ぜひともお楽しみくださいませ。
読書に集中しすぎたせいで火事なんか起こさないように、表紙を開く前にはくれぐれも火の元の確認をお忘れなく!!
なーんちゃって。
佐藤青南
●著者プロフィール
さとう・せいなん。1975年、長崎県生まれ。
第9回『このミステリーがすごい!』大賞で優秀賞を受賞し、
『ある少女にまつわる殺人の告白』でデビュー。
最新刊『消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生』が6月8日店頭予定。
※『このミステリーがすごい!』大賞HP
こんばんは。
会社では“女性のほうが有能な場合が多い”といわれることもあったり、
恋愛においても“肉食系女子”という言葉が定着しているように、
いま社会は女子が熱い!!
と、いうわけで『このミス』大賞シリーズからお届けする新作は、
『消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生』(佐藤青南著、6月8日店頭予定)です。
その名の通り、新米女性消防士が険しい男性社会、死と隣り合わせの火災現場のなかで
働き、成長していく姿を描いています。
消防士のディテールはもちろん、
『このミステリーがすごい!』というだけあって、謎もあって読み応えたっぷりの作品!
佐藤さんに作品の魅力を語ってもらいました。
★佐藤青南ブログ「実録素人ドキュメント 私を作家にしてください 佐藤青南ブログ」
『消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生』自作CMができるまでが4コマ漫画で読めます!
(『このミス』編集部)
◆◆◆◆◆
どーも二度目まして、佐藤青南です。
アルバイト時代の友人に消防士になったやつがおりまして。
もともととてつもない身体能力の持ち主で、バイト時代も道路標識のポールを掴んで身体を地面と水平に持ち上げる「鯉のぼり」をやったりするような体力バカだったのですが、久しぶりに会ってみたら以前よりひと回りもふた回りも身体が大きくなり、それこそ“ザ・肉塊”という体格になっていて驚かされました。
しかしそれ以上に驚かされたのが、
「消防学校では、ロープブリッジ渡過訓練で普通に女の子に負ける」
というそいつの発言でした。
ロープブリッジ渡過というのは、地面と水平に渡された長さ20mのロープを、行きはロープを跨ぐセーラー渡過で、戻りはロープにぶら下がるモンキー渡過で往復するという、消防士の基本となる救助技術です。
それで女の子に負けるというのです。
へえっ、そりゃとんでもない女がいたもんだ。
えっ……っていうかさ、もしかして火災現場に出場する消防ポンプ隊にも、女性隊員がいるの!?
という疑問が、すべての出発点でした。
調べてみたら、いるんですよ本当に!!
某動画サイトなんかにも消防学校に入校した女の子が訓練に臨む様子などがアップされていて、これがどこにでもいそうな普通のかわいらしい女の子だったりするわけです。
見た目は普通の女の子。
でもひとつ間違えば要救助者はおろか、自分や仲間の生命をも危険に晒してしまうような仕事ですから、訓練は男女の別なく容赦なし!!
男でも音を上げてしまうような苛酷な訓練が、当たり前のように課せられるのです。
これは小説の題材にしないわけにはいかんだろーと取材を開始したのが、およそ一年前のことでした。
そして資料を読み漁り、何人かの消防士さんに話を聞かせていただき、舞台となった横浜の街を自転車で走り回りながら物語を組み立てていく過程で、僕の中にひとつの思いが芽生えたのです。
なんで……!!
なんで僕は小説家になんてなっちまったんだ!!
なんで僕は、こんなにかっこいい『消防士』という職業に就こうと思わなかったんだぁぁぁっ!!
しかし年齢制限に引っかかる僕には、残念ながらもう消防吏員の受験資格がありません。
しかたがないので自分の小説に「人生の選択、誤ったかも」という後悔と、怨念めいた消防士さんへの羨望と嫉妬を詰め込んでみました。
あまりに未知の世界のことで執筆には悪戦苦闘させられましたが、たくさんの人からのお力添えもあり、なんとか完成にこぎつけることができました。
自信を持って送り出せる我が子です。
誰かを救うために命をかける、炎よりも熱い魂を持つ新米女性消防士・高柳蘭と、彼女を取り巻く浜方消防ポンプ隊二課の仲間たちの活躍を、ぜひともお楽しみくださいませ。
読書に集中しすぎたせいで火事なんか起こさないように、表紙を開く前にはくれぐれも火の元の確認をお忘れなく!!
なーんちゃって。
佐藤青南
●著者プロフィール
さとう・せいなん。1975年、長崎県生まれ。
第9回『このミステリーがすごい!』大賞で優秀賞を受賞し、
『ある少女にまつわる殺人の告白』でデビュー。
最新刊『消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生』が6月8日店頭予定。
※『このミステリーがすごい!』大賞HP